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2013.01.29 Tuesday

ルート610の組立作業

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    こんにちは 最近、昼間の天気がよく暖かいせいか、お店に遊びに来てくれるお客様が増えおります。
    平日の昼間は、比較的ゆっくりとお話ができるので、話好きな私としては、ついつい話し込んでしまします。
    「自転車が欲しい」以外にも、気になる事があれば何でも聞きに来て下さい。
    (一人で営業をしていいるので、忙しい時もありますが、その辺はご勘弁くださいね。)

    今日は、「ルート610の組立作業」について書かせて頂きます。
    普段あまりブログ等に、こう言うネタを書かないのですが、今回は少し長々書かせて頂きます。
    最後まで読んで頂ければ嬉しいです。


    うちの組立のコンセプトは「丁寧に組む、長年いい状態が続くように」です。
    レースバイクと違い、何年も愛用するバイクだからこそ「耐久性のある組み方」が重要になります。
    だから特にグリース類は、使用する場所に合った物を使い分け、たっぷりと使用して組み立てています。
    それと、長年の使用で、予想されるトラブルを無くすための作業もしています。(これが重要)

    IMG_2084.jpg
    まずはBB廻りから。
    今回は「スペシャライズド S-WORKS ターマックSL4」を、組ませて頂いたのですが、
    スペシャのOSBBには、最新の取り付け方法が採用されています。
    写真下の、2液混合式接着剤を使用して、フレームとOSBBカップを固定します。
    この接着剤が来るまでは、ロックタイトのはめ合い用で固定していたのですが、さらに固定力をUPする
    ためにこれが出来たそうです。スペシャ以外のフレームで、同様の固定方法のベアリングBBも、
    グリースで圧入より、ロックタイト固定の方が、音等が出ませんので、うちではそうしてます。
    硬化時間が短いので、クランク取り付けまで早めの作業となります。

    写真上のグリースは、ホワイトライトニング「クリスタルクリアーグリース」で、OSBBカップ内に入れる
    シールドペアリングにたっぷり塗って挿入します。
    (S-WORKSには「セラミックスピード」のベアリングが標準で付いてきます。取り付け方向有り)
    このグリースは、ベッドパーツにも使用しているのですが、とてもスグレ物!
    カーボン材には、通常グリースの使用が出来ないのですが、このグリースは使用可能。
    しかも適度な粘性があり、防水性も非常に高いので、耐久性が求められる場所に多く使用しています。
    ちなみにスペシャのOSBBは、OSBBカップをいれると、BB30仕様になるので、、実質BB30です。
    標準で、シマノクランクアダプターが付いてきます。

    IMG_2078.jpg
    次はワイヤーのセッティング。
    自転車でもっとも重要なパーツは、ワイヤーと考えています。全ての制御はワイヤーですからね。
    長さはとても重要で、必ず最短にカットします。
    写真のように、ハンドルを最大に切った状態の長さがワイヤーの最短となります。
    IMG_2083.jpg
    前から見るとこんな感じ。
    揃っていて綺麗ですし、これでワイヤー内も余計な抵抗が無く、スムーズに軽く動きます。
    IMG_2095.jpg
    リアブレーキのワイヤー部もこんな感じ。
    IMG_2073.jpg
    ドロップバー部分はこんな感じで、最初から最後まで、キッチリ固定します。
    よく完成車のバーテープを外すと、何箇所かで止まっているだけですが、これも1回外して、
    上記のように固定します。
    なぜこうするかというと、この部分が動くと、シフト、ブレーキのフィーリングがプアーになり、
    カッチリしたフィーリングが出ないからです。実際、ぜんぜん違いますよ!
    それと、バーテープが緩むのも、中でワイヤーが動かないので、解消されます。
    人間が操作する部分なので、とても重要な作業です。
    IMG_2109.jpg
    ワイヤー内には、このグリースをたっぷり塗って挿入します。
    この潤滑剤をオイルにする方がいらっしゃいますが、「長年いい状態が続くように」するには、
    やはり少し粘性に高い、グリースが効果的です。
    特にこのスペシャルグリースは、長いあいだ使っても、カーボン化(硬化すること)しないので、
    ワイヤーには1番です。
    もちろん、レースごとにメンテの出来るバイクを作るなら、抵抗が少ないオイルにします。

    IMG_2089.jpg
    これは最近始めた組立作業で、近年多くなったワイヤー内装フレームにおこなっています。
    写真のワイヤー部分に、グレーのライナーが見えると思いますが、これをフレーム内全てに通してあります。
    これをすることで、ワイヤー交換が楽に出来るのはもちろん、フレーム内壁の保護、
    ワイヤー動きのスムーズさを確保出来ます。
    以前は入れないで組んでいたのですが、フレームによってワイヤーがスムーズに動く物と、動かない物の個体差がありました。でもライナーを入れることで、その差が無くなり、どのフレームもスムーズに。
    ライナー先端を動かないようにラッパ状に整形したり、少し手間ですが、これをするすないでは、
    動きが全然違います。大事な作業です。
    IMG_2093.jpg
    写真のようにFDワイヤーは、タイヤに近い事も有り、汚れ防止でライナーを延長しています。
    (出口が細く、出来ないフレームもあります。)

    IMG_2110.jpg
    ブラケットの位置調整。
    目でおこなうのでなく、水準器で平行を出します。
    完成車の仮組み状態は、ほぼ平行がでていません。もちろんばらして適正な位置にしています。
    操作する部分だから、とても重要です。

    下記からはクリースの使い分けについて。場所に合った物を使用しています。
    IMG_2108.jpg
    ボルト類は100%すべてDAグリースを付けています。
    自転車パーツは対アルミが多いので、後から「取れない・・」がないように、動かすボルトには全て付けます。(前後メカ、前後ブレーキ、ステム、ピラー、等々)
    DAグリースは、昔からあるけど本当にいいグリースです。
    IMG_2114.jpg
    最近の軽量化で、メーカーパーツにも「チタン」パーツが多く使われていますが、
    チタンはカジリ付きやすい素材でもあります。
    そこでチタンには「スレッドコンパウンド」を塗って締め付けます。
    スレッドコンパウンドは、細かい粒子が入っていてカジリ付きを防止してくれます。
    フィニッシュラインの物が有名ですが、粘性などが最適な「パークツール」を使用しています。
    IMG_2102.jpg
    カーボンにはグリースが使えないと書きましたが、シートポスト部分には「絶対!」禁止!
    昔、まだカーボンの知識がないとき、金属フレーム同様にグリースを塗ってピラーをさした事有り、
    見事に硬化してしまい、抜けなくなった苦い経験があります。(相当、昔です。)
    でも、何も塗らないと、動いてしまう物も有るので、うちでは、「アセンブリーコンパウンド」を塗っています。
    これは細かいコンパウンドが入ったペイスト状のケミカルで、うちでは2タイプ、使い分けています。
    タックスの方が粒子が細かく、フィニッシュラインの方が粒子が粗いので、フレームとの隙間に合わせています。
    あとは、カーボンシートポストのやぐら部分の、固定力アップにも使っています。
    もちろん、カーボン材も傷めませんし、固定力もアップするので、これもなくてはならない物です。

    組立が終わったら、最後の仕上げをします。
    IMG_2097.jpg
    何時までも綺麗なフレーム状態でいて欲しいので、ワイヤーが当たる部分には、保護シールを貼ります。
    この保護シールは「ピッチン」と言う商品名の万能透明テープで、薄くてとても丈夫!
    実はこのシール、図書館の本などの表紙に貼られている保護シールと同じ物で、曲面でもきれいに貼れます。
    好きな形にカットして貼れるのも使いやすいところ。
    ワイヤーの当たる部分にゴムを巻くことをよくしますが、うちはこのピッチンだけ。というのは、
    結局アウターにゴムを巻いても、フレームに擦れるのは同じことなので、フレームを保護した方がいいと
    言う考えです。
    でも、この「ピッチン」を見つけるまで、いろいろ使ったのですが、耐久性、薄さ、使い勝手では1番です。
    とにかく傷が付きそうなところには全て付けます。
    IMG_2098.jpg
    最後は、ワックスがけ。
    自転車を磨くの大好きなんですが、最近のお気に入りはヴェプロスの「クリーンイノベーター」。
    とにかくピカピカ、ツルツルになります。光沢のある輝きが魅力です。
    ワックスは、汚れが付きにくくなるのもあるので、塗っておくのはお勧めです。
    ちなみに完成車の組立後もワックス塗って、納品させて頂いています。

    以上、こんな感じです。


    基本的に組立作業には、あせって行いたくないので時間を多めに頂いています。
    早く組むのは簡単ですが、あせって組んでミスするバイクより、キッチリ組んだバイクに乗りたいと、
    思っているお客様の方が、多いかと思いますので、そうさせて頂いています。
    ゆっくりと言っても、自転車なので、部品が揃えば、2日(その他の作業も有るので実質は1週間ぐらい)
    もあれば、十分手を入れた作業が出来ます。
    なので、途中で頂いた修理作業等も、少しお時間をいただく事も有るので、ご了承頂けると幸いです。

    今回は、ロードのフレームから組立作業ですが、メーカー完成車の組立でも、ほぼ同じ作業をしています。
    価格帯も関係なく箱からバラシて、組み付けています。
    特にワイヤーの長さには気を使っています。ここが適正な長さでないと、シフト、ブレーキ共に、いい状態が保たれないどころか、乗ってって気持ちよくないですよね。
    なんせ自転車は、ワイヤーで全て(MTBのディスクは別ですが。)操作していますからね、とても大事です!

    それと、フレームの乗せ換え作業も、得意としています!
    というのは、使っている状態の汚れたパーツを、そのままNEWフレームに乗せる事はもちろん無く、
    きちんと掃除、注油をさせて頂いています。
    実はこの作業が以外に昔から好きで、時間を忘れてやってしまいます。
    使っていたパーツなので、新品同様とまでいかないこともありますが、できるだけきれいにさせて頂きます。

    最後に、うちは「何ヶ月点検」というのも、特に行っていません。
    逆に「調子が悪い」と思ったら、何時でも持って来てください。
    上記作業のように、いい状態が続くように組んでいますが、機械なので、何がいつおこるかわかりません。気になる点があったら何時でもお持ちください。
    特に全て私が組んだバイクなので、どんな状態か見つけるのも早いと思います。

    と、今回はかなり長くなってしまいましたが、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
    すごく特別なことをしている訳ではないですが、なるべく丁寧に、長年同じ状態が続くように、
    組ませて頂いています。
    まだまだ勉強して進化したいとも思っていますので、また新しい作業が出来ました紹介させて頂きます。
    今回はロード(カーボンバイク)でしたが、MTBアルミフレームは切削作業もしていますので、
    機会があればまた次回。

    自転車、組むのも、乗るもの大好きです。
    ご来店お待ちしております。

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